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こんにちは。JR東日本ホテルメッツ新潟です。
今回はご宿泊とも新潟とも何の関係もない、おすすめ書籍の紹介です。

今回おすすめしたいのは
ディーノ・ブッツァーティー『タタール人の砂漠』 (脇 功訳  岩波文庫)です。
多分今、イタリア文学ってマイナーなカテゴリーの中では一番売れているこの作品。
読めばたちまち気持ちの良い(?)後悔に襲われるはずです。


一言で言うと、何も起きない作品です。
軍人である主人公のドローゴは、辺境の砦での任務につく。
娯楽も刺激もない砦で、攻めてくるはずの敵にひたすら備える任務だ。
ところが敵は攻めてこない、いつまで待っても来ない。
ドローゴはこんなことをしていたらいけないと薄々気が付きつつも、それでも敵を待つ。
自分がするべきこと、したいことはぼんやりとある、辺境の砦なんかに残っているべきではない。それは分かっている。
しかし、なぜか立ち去る事が出来ない。ひたすら監視任務をただ続ける。
敵は攻めてこない、時は残酷に過ぎていく・・・・


「このままじゃいけない!何か動かなくちゃ!」ってわかってはいるのだけれども、その一歩を踏み出せない。
私たちの生活にそれってすごく「あるある」なんですよね。
その「あるある」はとても容易に、気付かぬうちにどんどん積み重なっていきます。
そして時間は過ぎるのです。それどころか年齢を重ねれば重ねるほど、時間はどんどん早く過ぎ去って行ってしまう(このことも本作では実に見事に!描写されています)。

こんな本を、こんなブログを、読んでいるうちに時は想像もしていなかったようなスピードで過ぎ去ってしまうことでしょう。
きっと誰もがそれに後から気が付くのです。気付いてからでは遅いのですが、どうも人生と時間はそういう関係になっているらしい、恐ろしいですね。


なお、この岩波文庫版は、翻訳も解説も素晴らしい仕上がりとなっています。
ちょっと遅めの読書感想文にいかがでしょうか。
JR東日本ホテルメッツ 新潟|2026.08.26 (21:33)
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